仮説89:第8話の無人島について

ムーの白鯨、第8話冒頭において、剣たちが束の間の休日を無人島で過ごすシーンがあります。
剣がその鈍感さゆえに、マドーラに大暴言を言い放った場所です(怒)。……ま、それはとりあえず置いといて……。
内容を見る限り、舞台はイースター島近くにある無人島ということのようです。が……イースター島は絶海の孤島。近隣にある島と言えば、島の南西端にあるオロンゴ岬沖にある「鳥人の島」、モトゥ・ヌイ等の3島しかありません。
しかし、これらの島は草木ひとつ生えないただの岩塊であり、森が存在していた作中の無人島とは明らかに違います。剣たちがムーバルで飛び立った後、無人島の遠景が出た際にもイースター島は見えず、「鳥人の島」より離れた別の場所であることは明らかです。
イースター島から最も近い島はサラ・イ・ゴメス島で415km、有人島ではピトケアン島が約2,000kmも離れているので、矛盾しています。
アトランティス出現の余波による異常現象の中で新たに隆起した島なのかとも思いましたが、森がある点を見れば昨日今日できた島ではありません。
ま、イースター島近くにある、地図にも載っていない小さな無人島という設定なんでしょう。
島の中に遺跡があることから、かつては人が住んでいたようです。麗はラ・ムー達の時代のものかもと言っていましたが、石像の風化具合を見るとそこまで古いものではなさそうです。
しかし、緊急出撃のためとはいえ、マドーラを島に置き去りにしてしまう剣の対応はどうかと思います。剣は、マドーラなら泳いでイースター島へ戻れる、などと言っていましたが……それだけ近いってことなんでしょうが、イースター島にはサンゴ礁もなく、結構荒れた海です。外洋ならサメもいるでしょうし、そんな海を女の子に泳いで帰れって……鬼か(汗)。
……ま、剣への批判は本項の趣旨ではないので止めておきましょう(汗)。

ところで、それ以上に気になるのが、剣たちが麗の「敵が南に向かっている」という予知に基づいて出撃し、ペルーのマチュピチュに到達している点です。
それというのも、イースター島から見るとマチュピチュはほぼ東に位置しているからです。小説版では、最初南へ飛び、その後進路を東に転じていったとあるので問題ありませんが、TV版ではムーバルはどうやらずっと南に飛び続けたようです。この進路でマチュピチュに到達しようとすると、地球を南北方向に一周してしまいます。
この問題についてはどう考えても納得できる説明ができず、長年頭を悩ませてきました(普通に考えれば、制作スタッフの考証ミスでしょーが)。
しかし、最近ようやく説明がつきそうな可能性に思い至りました。
剣たちが出撃する際、地球上のいくつかの場所へ瞬間移動可能なゲートを用いていたのではないでしょうか?
作中ではそのような描写はありませんが、いくらムーバルや白鯨に航続力の問題がないにしても、イースター島を根拠地として全地球をカバーするのは厳しいと言わざるを得ません。
また、どれくらいの速度が出せるのかは不明ですが、例えば地球の反対側まで行こうとしたら、やはりそれなりの時間はかかってしまうでしょう。
麗の予知能力で事前に敵の動きを察知することができるとはいえ、普通に飛行して目的地へ向かっていては、時間的に不利となります。
しかし、瞬間移動できるような装置でもあれば、移動時間を大幅に短縮することができ、一つの根拠地から全地球をカバーすることも無理がなくなります。
もっとも、某ネコ型ロボットのどこでも○アみたいに、地球上どこにでも一瞬で到達できるような便利なものではなく、あらかじめ設定したいくつかのポイントまでの瞬間移動を可能にするものでしょう。
もし移動場所を自由に選べるのであれば、初めから目的地に瞬間移動すれば良いですし、20話のアトランティス第一師団旗艦のように瞬間移動しての奇襲攻撃にも応用が可能だったはずです。
アトランティスにしても瞬間移動地点はあらかじめ設定しておかなければならなかったようですから、この説の傍証になり得るでしょう。
その移動ポイントの一つがマチュピチュ北方にあったとすれば、辻褄が合います。

思えば麗の「敵が南に向かっている」という言葉にしても、「自分たちの居る場所から見て南」と考えるのが普通ですが、「全地球の南方」だとしても矛盾はありません。
元々、麗の予知自体があいまいな要素を含んでいるので、その点は考慮するべきでしょう。

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