仮説72:各話分析(12)
『生きていた古代竜』について

第12話、『生きていた古代竜』。
この回は珍しくアトランティス側の視点から始まります。
アトランティス本国へ呼び戻されたゴルゴス、プラトス、そしてラ・メール。いつまでもオリハルコンを見つけることができない不始末への叱責を覚悟していた彼らでしたが、長老科学者グラーティスからアトランティス大陸の木星激突の危機を知らされます。
ラ・メールの用意したオリハルコン探索資料を見ながらゴルゴス曰く、
「ランプのついた所は既に探査した所です。残っているのは氷に覆われた北極と南極だけ……」
……にしては、探査済みの箇所が少ないようですが……。それに、探査済みのはずの富士山(3話)とバミューダ(11話)の所にランプがついてないんですけど……。
9話のクレタ島一帯のところにないのは、部隊が白鯨と交戦して全滅してしまったので探査できなかったということでしょうか。でもそうすると、その後再探査を行わなかったということか……?
ともあれ、この回のアトランティス側は状況描写のみで出番終了です。

一方、ムー側は学の仕入れてきた情報を基にヒマラヤへ向かいます。
出撃にマドーラを呼びに行く剣は神殿内で、心を取り戻し剣を愛してしまったがために悩むマドーラの哀しみを聞いてしまいます。
その言葉を聞かない振りをして、たった今入ってきたように装う剣の不器用さは、思わず小学生かと突っ込みを入れたくなりますが、よく考えれば剣の設定年齢は15歳。年齢的に大差ありませんでした(笑)。

さて、時間の都合であっさりと古代図書館へ続く道を発見する剣たち。
図書館へ続く急な階段を登る一行の前に、古代竜(形態的に、翼竜の一種?)が現れて襲いかかってきます。
この古代竜、別にアトランティスとは関係なく、単に古代から生き残っていた生物だったようですが、剣との対比からして□プ□スのごとき巨体を持つ怪物を苦戦しつつも一人で倒してしまう辺り、やはりムー戦士長・ケインの生まれ変わりといったところでしょう。
古代図書館にたどり着くものの、新たに現れたもう一匹の古代竜に電撃を放ってしまうマドーラには驚かされましたが、目から○〜ムを放ってしまう小説版と比べればはるかにマシです(汗)。
しばらく行動不能となったマドーラを看病する剣。その中でお互いの想いをぶつけあい、そしてようやく心を通わせる剣とマドーラ。マドーラファンとしては心穏やかではいられないシーンですが、物語前半が大団円を迎えたと言えるシーンではあります。

なお、この12話の仮題は『謎の古代地図』。言うまでもなく、彼らが古代図書館で見つけた資料の中に入っていたピリ・レイス地図の基となった古代地図のことです。
南極に古代文明が栄えていた可能性を示す地図でしたが、そこにオリハルコンが眠っているのでは、といささかご都合主義的な発言の麗に対し「そううまくいくかどうか……」と常識的な反応を示す学でしたが、そううまくいってしまうのがアニメ作品の時間的制約というものでしょうか……(笑)。
ともかく、オリハルコン発見の手掛かりとなる重要な地図ではありますが、最後に少し登場するだけなので、今回の敵役となった古代竜の方がサブタイトルとしては適切でしょう。
また、今回はアトランティスと戦うことはなく、白鯨もヒマラヤまでの移動手段でしかなかった辺り、剣とマドーラの恋の行方に重きを置いた回であれば当然の演出だったとも言えます。

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