仮説50:白川学について

白川学(シラカワ・ガク)、13歳。ムーの学者、ガラクシャの生まれ変わり。
典型的な学者タイプのキャラですが、元々が戦士ではなかったこともあって、戦闘シーンではそれほど役に立たず、むしろ足手まといになってしまっている感すらありました。
ムーバルを駆っての戦闘ではアトランティス戦闘機に追い回されて、危ないところを譲に助けられるシーンが二度ありましたし、13話でオリハルコンが現れる際には危うく逃げ遅れるところでした。

しかし、メンバーの中で最年少(ミューは年齢がよく分からないので別にして)ながらも、その頭脳を生かした活躍には無視できないものがありました。
9話でオリハルコンを探索に向かうことになったのも、元は学の発言がきっかけでしたし、12話で古代図書館へ向かうことになったのも、学の仕入れてきた情報によるものでした。
他にも、10話ではアトランティスが防空ミサイル網を突破してペルーへ向かったとの国連軍情報をキャッチし、11話ではアメリカの防空ミサイル網を突破して大西洋へ向かったと話していました。
白鯨と国連軍の関係が不明なのではっきりしたことは言えませんが、「国連軍情報をキャッチした」という台詞から、国連軍から情報を提供されていたわけではなく、学は軍の通信を傍受するという、一般人にはそう簡単にできないことをあっさりとやっていたことになります。
とにかく、情報収集が学の役割だったことははっきりしています。
また、9話でアララト山麓へ向かった際には、地元の図書館を探して調べてみると言っていたことからトルコ語にも精通していることが窺えますし、他にも12話ではヒマラヤの古代図書館で発見した古代文書を読み解くなど、語学に関して非凡な能力を持っていたようです。
20話でアトランティス精鋭部隊に苦戦した際は、剣の発案ながらもラウンドクロス包囲網の唯一の隙である月面に激突して包囲網が崩れる瞬間を割り出し、テレポート攻撃を駆使する第一旗艦の出現位置をピンポイントで特定、いずれも突破しています。
これらは学の力がなければ、どうすることもできなかったでしょう。
その一方で、製作したラジオやテレビは不調のことが多くて、剣に叩いて直されて(?)自信を粉砕されてしまうなど、ギャグキャラの一面もありました。
戦闘シーンを見れば分かりますが運動神経もあまりないようで、5話ではカナヅチという学者タイプキャラの典型的弱点を披露し、最終話ではメガネなしではほとんど何も見えないというお約束のシーンを見せ、更に4話では前世のガラクシャも実験の失敗で爆発事故をやらかす(しかも、台詞からすると度々あるらしい……汗)など、ギャグシーンへの登場は何気に一番多いです。

さて、その過去が触れられていないのは剣と譲を除けばムー戦士全員に共通したことですが、学はその過去が最も気になるキャラではないでしょうか?
何しろ、弱冠13歳にして古代文書を読み解く超天才児です。飛び級で既に大学くらい卒業していてもおかしくありません。
これだけの能力を持っていれば、ゆくゆくは世界をリードする国際的研究機関での活躍も大いに期待されていたことでしょう。
そんな自身の存在に疑問を抱いたというのは想像に過ぎるかも知れませんが、使命を持って3万年前から転生してきただけに、学はその能力を使うべき場所はどこか別にあることを潜在的に感じていたのではないでしょうか。
冒頭、夢に導かれてイースター島に集まった際にも、イースター島に対する学術的興味を理由にしてはいましたが、ここで初めて学は自分の居場所を見つけたのでしょう。
そしてその通りに、学はアトランティスと戦うに当たってなくてはならない、ムー側の頭脳として活躍したのです。

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