仮説43:ザルゴン要塞について

最終話、ザルゴン自らが乗り込んで白鯨との最終決戦に臨んだザルゴン要塞。
その機体は円盤状の本体正面にザルゴンの兜を思わせる構造物があり、いかにもザルゴンの専用機という印象です。
明確な発進シーンはありませんでしたが、基本的な形状が似ていることから、グレートパレスの内部に収納されていたと考えるのが妥当です。
画面を見る限りでは白鯨の全長と比べて半分くらいの大きさしかないので、直径は約100mといったところでしょう。その分、幅があるので、排水量で比較すれば白鯨と同程度と予想されます。
コンドル要塞は言うに及ばず、スフィンクス要塞や第一旗艦よりずっと小さく、「要塞」と名が付くアトランティス兵器の中では最も小さいということになります。もっとも、ザルゴン一人で操縦していることを思えば、かなりの大型機というべきかも知れませんが…。

ただ、その破壊力は群を抜いています。
それまで、白鯨にダメージを与えたアトランティス兵器はありましたが、その外皮まで深く損傷させたのは、このザルゴン要塞をおいて他にありません。
18話の隕石雨攻撃で表面に傷を付けたことはありましたが、それでも穴を開けるには至りませんでした。
一方、ザルゴン要塞はビーム掃射で熱球ビーム砲座ごと白鯨の外皮を切り裂き、胸びれを切り落とし、装甲に穴を穿って白鯨をズタズタのボロボロにしてしまいました。
やはりオリハルコンを内部に収納して、その絶大なエネルギーを直接用いているだけに、ビームの破壊力も桁外れということでしょう。
主兵装はあまり砲座らしく見えない、機体正面に並んだ4枚のパネルのような部分から放つビームです。
他のビーム砲が先端の尖った、ある意味ポピュラーなビーム砲の形状をしているのに対し、ザルゴン要塞のビーム砲は非常に異質なイメージです。
普通に考えて、エネルギーを集束できると思われる細い形状にした方が、単位面積当たりのエネルギー量が増大して破壊力は高まるはずです。逆に、平らな部分から放ったのではエネルギーが分散してしまって破壊力が落ちてしまうと考えられます。
これは想像ですが、オリハルコンパワーを直接用いたためにエネルギー量が大きすぎて、エネルギーを集束しようとすると砲身が破壊されてしまう恐れがあったのかも知れません。
また、そこから放たれるビームもそれまでのアトランティス兵器と同じ、線状だったりダイヤを長く伸ばしたような独特の形状だったりと時によって変化していました。
恐らく、状況に応じてビームのタイプを自在に変化させられる多用途ビームだったのではないでしょうか。

それ以外にも、ビーム砲座と思しき構造物が機体の至るところからハリネズミのように突出しています。こちらはこれまでのコンドル要塞等のアトランティス兵器に備えられたビーム砲のデザインを踏襲しています。
もっとも、実際の戦闘シーンでは白鯨だけが相手だったためか、それらの補助ビーム砲が使われることはありませんでした。
例えば、アトランティス反乱軍があのまま戦力を拡大して白鯨に協力し、大軍でザルゴン要塞に挑むというような展開になっていれば、補助ビーム群の一斉発射によって戦闘機群を一瞬にして壊滅させる、というようなシーンが繰り広げられたのかも知れません。

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