仮説42:グレートパレスについて

「ムーの白鯨」、24話で登場したグレートパレス。それはいかなるものだったのでしょうか?

その初出は反逆罪で捕えられ、拘束されたプラトスの前に父王・ザルゴンが現れたシーンでした。
拘束台から遠くに望める建設中の巨大な構造物、それがグレートパレスでした。
名前は「パレス」となっていますが、軍事国家らしくあまり華やかな印象はなくて、全体の構造は円盤状の本体上部にミサイルを思わせるような突起が何本も突出しているのが目を引きます。
その時のザルゴンの台詞によると、この建造物は「アトランティスの新たな力の象徴」であり、この宮殿が完成すれば「オリハルコンパワーシステムによって地球の全てが思うがままにコントロールされる」とのことでした。
しかし、具体的にどのように支配できるのかは語られず、システムの内容は謎に包まれています。

意味ありげに並んだ上部の突起から、何か電磁波のようなものを発して人々の精神を支配する装置だったのでは、とも思えてきます。
が、完成前に宮殿を叩かなければ、というような展開もなかったのでこの可能性は低そうです。
実際、25話冒頭でザルゴンの側近であるコルドが語ったところによれば、五大陸に配置した基地が順調に建設されつつある状態であり、「グレートパレスからコントロールされるオリハルコンの力でますます発展することでしょう」とのことでした。
この時点でグレートパレスのオリハルコンパワーシステムは既に作動していると思われますが、剣たちは特に精神支配を受けていないことは明らかです。
このことから、グレートパレスのシステムはアトランティス文明を支えるオリハルコンパワーの供給を牛耳ることで全世界の生殺与奪を手にすることにあったのでは、と考えるのが妥当でしょう。
月並みな支配方法ですが、シンプルなだけにその支配構造は、そこで生活する人々にとって逆らいようのないシステムと言えるでしょう。
しかし、強大なオリハルコンパワーを一箇所に集中することは、同時に脆弱性をも生み、24話で反乱を起こしたプラトスがグレートパレス内に立て篭もった際は、オリハルコンパワーシステムに狂いが生じれば大変なことになるために、うかつには手が出せない状況に陥りました。
残念ながらプラトスの反乱は失敗に終わりましたが、その後、25話で白鯨が突入した際には心配されたシステムの暴走が発生したらしく、アトランティス大陸は海没していったような描写が見られます。

ただ、ザルゴン自身が語ったようにグレートパレスはアトランティスにとって「力の象徴」であったことは間違いありません。
オリハルコンを直接内部に納めているだけにそれ自体のエネルギー量は大変なものだったようで、そこから発するエネルギー波攻撃(?)は、背水の陣を敷くことになった白鯨の突進を一時止めるほどのものでした。
また、ザルゴンにとって最後の切り札とも言うべきザルゴン要塞を内部に収納していた点も、正しく「力の象徴」と呼ぶにふさわしいと言えましょう。

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