仮説35:アトランティス第一師団について

16〜17話にかけてプラトスが旗艦とした巨大戦闘艦。作中では明確な呼び名がありませんでしたが、20話で宇宙に飛び出した白鯨を迎撃するのにハイドが恐らく同一と思われる戦闘艦を使用しており、その際に「第一師団」との呼び名が出てきます。また、小説版ではザルゴンが「第一旗艦」の名称を用いています。
ザルゴンによると、「アトランティス軍最高の戦闘力を誇る」部隊とのことですが、ただ、直援の戦闘隊は小型戦闘機ばかりで、部隊としての戦闘力は旗艦に集中している模様です。
大きさは白鯨と比べると同程度かやや小さく、恐らく全長180m前後、全幅も同程度と思われ、物語前半におけるアトランティス軍の中核であったコンドル要塞と比較するとかなり小さい印象です。
コンドル要塞と違って戦闘隊を発進させる描写はなく、搭載機としては16〜17話でプラトスとラ・メールが使用した地上への移動機が唯一の例です。
バリア展開能力はありますが、それ以外の武装としては両翼に三連装のビーム砲が一基ずつ、計二基が見られるのみで、火力もコンドル要塞と比べると劣るようです。
もっとも、こちらのビームは連射が可能ですので、一慨に劣っているとも言い切れません。
ビーム砲座を据え付けたアーム部分はある程度の旋回が可能なようで照準の自由度は高く、運動性もそれなりにあることから、むしろコンドル要塞と比べると機動性の点では勝っているようにも見受けられます。

特筆すべきは、20話でその実力を見せた瞬間移動能力です。ハイドの指揮の下、テレポート移動しながらの攻撃で白鯨を翻弄しました。
ただ、この機能は一般的な意味での瞬間移動とはいささか違うようです。それというのも、作中の描写では消失から出現までに10秒ほどのタイムラグがあったからです。
このため、剣の発案により学がその移動先をピンポイントで特定、反撃を許す結果となりました。
このことは、移動先を特定できるような何らかの移動パターンがあったものと推察されますが、それに加えて実際の移動が一瞬に行われるわけではなかったことが大きいと言えます。
この「瞬間移動」は、任意の2地点を別空間を通って移動しているものと想像されます。
つまり、異次元トンネルのようなものを掘って、そこを通って通常空間に居る者には捉えられることなく移動しているのではないでしょうか。
通常空間を移動するよりは早く移動できるが、移動距離がゼロではないためにある程度の時間が掛るものと考えられます。
恐らく、掘れる異次元トンネルの数や距離に限度があり、従って移動パターンも自ずと限られてしまうのでしょう。
あるいは、異次元トンネル自体をある程度前もって掘っておく必要があったのかも知れません。
そう考えると学に移動先を特定されてしまったのも頷けます。
この説を補強する材料として、17話でオリハルコンパワービーム被弾の危機に見舞われた際のプラトスの対処が挙げられます。
白鯨との戦いに気を取られて回避時間を逸し、10秒以内に半径50キロ外に脱出しなければならないという絶対絶命の状況に、プラトスは死を覚悟しました。
この時、なぜプラトスは瞬間移動機能を用いなかったのか…?
考えられる可能性としては、短時間に異次元トンネルを掘ることができなかったか、ビームの破壊圏外に逃れるほどの長距離移動ができなかったということでしょう。
あるいは、異次元トンネルに潜り込んだとしても、ビームの影響から免れることはできなかったという可能性も考えられます。
もっとも、もう一つの可能性としては同型艦というだけで17話でプラトスが搭乗していた艦には瞬間移動機能が付いていなかった、あるいは瞬間移動機能は20話でハイドが新たに設置した新機能だったということも考えられます。

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