仮説33:アトランティス重戦闘機について

9話にバッカスの乗機として初登場したアトランティス重戦闘機。
小型戦闘機と対比すると、機体サイズはプラトス専用機とほぼ同じ30m前後と思われます。
ただ噴射ノズルは2基少ない4基で、加速性や上昇力では若干劣るものと予想されます。

さて、機体の設計コンセプトはプラトス専用機と同様、部隊の指揮官用機としての能力に重点を置いているものと考えられます。
まず、指揮官を護るための防御力。プラトス専用機ほどではありませんが、小型戦闘機程度なら一発で撃破する威力を持つムーバルの熱球ビームを、9話では少なくとも数発は耐えて見せました。
もっとも、それ以降は白鯨との対戦がほとんどだったので、その防御力を示す場面には恵まれませんでしたが。
また、情報収集力にも見るべきものがあったようで、9話で地中海上空に達したバッカス機のレーダーはアララト山付近に居た白鯨を捉えました。
このとき部隊はクレタ島上空に居たはずですが、そこからアララト山までは2,000kmほどありますので、バッカス機の索敵能力はこれくらいはあると判断できます。
ちなみに、プラトス専用機の索敵能力は不明ですが、3話と8話で副官がレーダーで敵の接近を捉えた際に「距離500」と言っている事実があります。
距離の単位が不明ですが、キロメートルだとすると重戦闘機の索敵能力はプラトス専用機の4倍近くあることになります。
もっとも、キロメートルとは特に言っていないのですが、マイルだとしても800km余りなので約2.5倍、海里だとしても900km余りとなり2倍強。断定はできませんが、プラトス専用機の倍程度の索敵能力があると考えて良いのではないでしょうか?

もう一点重要なのはその攻撃力です。
プラトス専用機のビーム砲は作中の描写を観る限りでは小型戦闘機と比べて威力に大差はないように思えます。
一方、重戦闘機はその主武装が大型の三連装ビーム砲で、9話では剣を欠いていたとはいえ白鯨の腹部にビームを直撃させて少なからぬダメージを与えることに成功しました。
また、25話ではムーバルが直撃を受け一撃で大破、譲が重傷を負うという結果を招きました。
ムーバルは小型戦闘機程度のビームなら多少の命中弾にも耐えられますので、両者の威力が段違いであることが分かります。
恐らく、機体の設計コンセプトの一つとして、部隊の決め手となる強大な攻撃力を与えるという、戦術上の意図があったものと推察されます。
なお、重戦闘機の武装としてもう一つ、小型戦闘機やプラトス専用機と同様の側面ビーム砲と思しき構造物がありますが、ついぞ使われることがなかったのはプラトス専用機と同じでした。

重戦闘機は上述の内容に加えて編隊中に通常は1機しか居ないこともあって、基本的には隊長機と思われます。
ただし、21話でアトランティス大陸と接触して以降は、多数の重戦闘機が集団で襲ってくることも多くなりました。
これは恐らく、本機の攻撃力に着目して対白鯨用に特別編成された部隊だったと考えられます。
機体の設計コンセプトからすると、適切な使い方だったと言えるでしょう。

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