仮説32:オリハルコン探索機について

物語前半、アトランティスが失われたオリハルコンを探す目的で用いた探索機。
よく登場したのは、大型の探索母船とそこから発射されるドリルミサイルのような形状の探索ミサイルの組み合わせです。
探索母船は周囲の小型戦闘機やプラトス専用機との対比からすると、直径30m、高さは40m前後といったところでしょう。
武装はなく、速度も他の戦闘機と比較すると低速と思われ、3話では富士の噴火から逃げ遅れて破壊されてしまうという失態を演じてしまいました。

さて、オリハルコンについて考察したときにも少し触れましたが、この探索ミサイルは何らかの波動を与えることによって眠れるオリハルコンを目覚めさせる役割を担っていると考えられます。
3話における富士の噴火は、この波動の影響によるものと思われます。火山に対する影響に気付かなかったとは、アトランティスも迂闊ですが…。
それはともかく、探索ミサイルは4発をセットで地中に撃ち込んでいますが、その場所は全てがほとんど同じ位置になっています。
普通に考えて、複数のポイントから探査するのは測量と同じ原理で対象物の位置を特定するためと想像されますが、それならある程度離して撃ち込むべきです。探査ポイントをお互いに離した方が、位相差から位置特定の精度は高まることになるからです。
もっとも、アトランティスの科学力ならばあの程度の位相差でも充分な精度で測定が可能なのかも知れません。探索母船の大きさからして、探索機はお互いに30m前後は離れていたはずですし、発射も4発一度にではなく、わずかな時間差をつけて行なっていましたので、下降深度にも若干の違いがあったようでした。
探索ミサイルの携行弾数は作中で明確には示されていませんでしたが、8話ではマチュピチュで二度探索した後、更に探索を続けるか検討していることから考えて、最低でも3セット、12発は装備できるようです。

例外として、11話でプラトス専用機から投下された探索器があり、これは形状も違い数も一発のみでした。
恐らく、これは探査目標が地中ではなく海中であったことによる違いと思われます。
もう一つの例外として9話でバッカスが地中海・クレタ島一帯を探査しようとした際に探索母船を引き連れていなかった事実があります。
バッカスは白鯨を捕捉してこれの攻撃に向かってしまったため、探査は行なわれずじまいでしたが、実際の探査に当たっては、11話と同じ探索器が地中海に投下される予定だったのかも知れません。

ところで、探索機の探知可能範囲はどれくらいあったのでしょうか?
オリハルコン探索は過去にオリハルコンの力を用いて文明が発生したはずという観点から、主に遺跡を目標に行なわれていました。
しかし、目標物を補足することを最優先とするなら、地球上にくまなく探索機を撃ち込めば、確実に捉えることができるはずです。
アトランティスがそれをしなかったのは、探索機の探知範囲がそれほど広くないことを意味します。
具体的なデータは作中に登場しませんが、探知範囲が直径100kmだったと仮定して考察してみましょう。
この場合、探知可能面積は、50km x 50km x 3.14 = 約7,850kuとなります。
一方、地球の表面積は約5.1億kuあるので、地球の全面をくまなく探査するとなると、単純計算で実に6万5千箇所もの探査が必要になってしまいます。
これでは例え毎日100箇所ずつ探査していっても、作業完了まで1年9ヶ月以上も掛かってしまうことになり、現実的ではありません。
その点、オリハルコンによって栄えた文明跡を目標とするなら、それは当該地域で他を圧する発展を遂げた文明であったはずで、探査場所はかなり限定されることになります。
また、例え肝心のオリハルコンが遺跡そのものから失われ、侵食作用によってどこかに流されたとしても、周囲数十kmの許容範囲があれば探知できる可能性は極めて高くなりますので、非常に有効な方法と言えます。

気になるのは13話で探査した南極で、南極大陸の面積は約1,400万kuあるので、全体をくまなく探索しようとすれば、1,800箇所近くの探査が必要になってしまいます。しかも、当初は北極も探査するつもりだったのですから、探査箇所はこの2倍となります。
元々、北極と南極の探査はゴルゴスたちにとっては念のための保険的な意味合いが強かったため、綿密な探査は初めから予定しておらず、数箇所の探査に留めるつもりだったのかも知れません。
それを最初の一発で引き当てるとは、彼らに天が味方していたとも言えましょう。

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