仮説20:オリハルコンのマイナスパワーについて

バミューダ・トライアングルが「ムーの白鯨」11話の舞台となったのはそもそも、アトランティスの科学長官・ハイドが提唱したオリハルコンのマイナスパワー仮説に基づくものでした。

オリハルコンが3万年間、完全に眠り続けていた場合を想定して分析をし直した結果、判明した事実―地底深く眠り続けたオリハルコンパワーは、一定の周期で蓄積されたエネルギーの一部をマイナスパワーとして放出する―というのがこの仮説の骨子です。
先にオリハルコンについて考察した際にも少し触れましたが、オリハルコンというのは作用する対象物がないとその力を発揮しない―放射、伝導、対流といった単なる物理現象を介しては作用しない―と考えられます。
とは言え、ラ・ムーいわく、『宇宙を支配する神のエネルギーを吸い寄せ、生き続けている』以上、限界を超えれば余剰のエネルギーがどこかから漏れるのは当然の事です。
その影響として、大地の陥没、隆起、大津波、異常気象など、あらゆる異常現象が考えられる中で、地球情報から解析コンピューターが選び出した典型的なサンプルとしてバミューダ・トライアングルの調査を行なうことになったわけです。

結果的にはバミューダにオリハルコンはなかったわけですが、しかしこれによってマイナスパワー仮説が否定されたわけでは決してありません。
大体、3万年間完全に眠り続けた場合を想定したと言っていますが、例えば眠っていたのが1万年程度だったらマイナスパワーは放出されないのでしょうか?
バミューダ・トライアングル消失事件の原因をマイナスパワーの可能性ありと考えた以上、想定されるエネルギー放出の周期はかなり頻繁なものではないかと考えられます。となると、少なくとも有史以前から眠っているはずのオリハルコンであれば、マイナスパワーが放出されて然るべきです。
もっとも、アトランティス側はこの可能性を失念していたのか、それとも単に話数の都合で描かれなかっただけなのか、『遺跡があり、なおかつマイナスパワー発生の可能性のある場所』に絞り込んで探索を行う様なエピソードはありませんでした。
結局、オリハルコンはアトランティスが初めから候補地から外していた南極で見つかるわけですが、しかしその南極でマイナスパワーは放出されていなかったのでしょうか?
南極は未調査の部分がまだまだ多いはずですので、バミューダの様な消失事件が起きるのかどうかは定かではありません。
しかし、マイナスパワーの影響としてはあらゆる異常現象が考えられるとの事ですので、消失事件にこだわる必要はありません。

その謎を解く鍵はオリハルコンと共に眠っていた古代都市にあると思われます。
都市そのものが滅んだ理由は別にあるとしても、もしかすると南極が氷に閉ざされたのがマイナスパワーの影響だったのではないでしょうか?
時系列を考えると、南極文明が栄えたのは1〜2万年前と考えられますが、地質学や古気象学の観点からは南極が氷に覆われていなかった時代は数百万年以上前となっているようです。
アトランティスが南極を探査候補地から外したのも、3万年前から現代までに氷が融けた時代があったにしては、南極を覆う氷が厚すぎたためかも知れません。
その数百万年分の氷結を短時間に起こした超異常現象、それこそが眠れるオリハルコンのマイナスパワーだった可能性は充分にあります。

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