仮説18:ナスカの地上絵について

「ムーの白鯨」10話の舞台となったナスカの地上絵。ペルー南部の砂漠地帯、500kuもの範囲に描かれた30以上の絵、200以上の幾何学模様、数万本の直線からなっています。
実は、同様の地上絵はペルーからチリ北部の砂漠地帯に数多く分布しています。その中でナスカが際立って有名なのは、ひとえにその規模の大きさによります。
作中ではナスカに数ある地上絵の中でも「ハチドリ」の部分のみが出てきました。
コンドルをシンボルとするアトランティスとしては「コンドル」の部分を使うべきではなかったか、という気はしますが…ただ、「ハチドリ」はナスカでも背景の砂漠部分の黒さが特に濃いこともあって最も鮮やかに残っている地上絵ですので、その意味ではベストな選択だったかも知れません。

地上絵は砂漠表面の黒っぽい砂を取り除いて下層の白っぽい部分を露出させるという単純な方法で描かれています。それが未だに残っているのは、ほとんど雨が降らないこの土地の気候によるものです。
従って、地上絵部分の発掘は全く行われていませんから、地下にアトランティスの基地が隠されていても分からないはずです。…勿論、隠されているわけはありませんが(笑)。
もうひとつ、気になるのは地上絵の大きさです。数万本もある直線は全長数kmという長大なものですが、動植物の絵や幾何学模様は意外に小さく、数十mから大きなものでもせいぜい300mほどしかありません。
問題の「ハチドリ」は100mほどしかないのですが、作中では全長200mの白鯨と比較すると1km近くありそうです。
それに作中では「ハチドリ」の傍に渦巻き模様や長方形の図形がありましたが、実際にナスカにある「ハチドリ」の傍にそんな図形はありません。

そもそも、「空の民」が使う武器からしてアンデス地方の原住民が使う武器とは異質な印象を受けます。
古代アンデスの人々が使った武器と言えば、組み紐を用いて石を飛ばす「投石器」と先端に石を付けた棍棒くらいのもので、「空の民」が使っていた様な金属製の鋭利な槍などはなかったはずなのです。
この謎を解く鍵になりそうなのは、アトランティス人が「空の民」に施した警備伝承催眠なるものです。
それがどのような内容のものだったのか、詳細が語られなかったので想像するしかありませんが、現代に至るまで伝説の中に生き続けている民族のようですから、その催眠条件の中に他民族との交流を禁じるというようなものがあったのかも知れません。
そして「空の民」は、他のアンデス地域の民族とは全く違う武器―アトランティス人が与えた、同時代の人々から見れば超技術を用いた武器―を使い、強大なインカ帝国にさえ抗して独立を護ることができたのではないでしょうか。
また、もしかすると作中に出てきたのは現在観光名所になっている地上絵ではなく、未だ発見されていない別の地上絵が彼ら「空の民」によって巧妙に隠されていたということも考えられます。

だとすると、他の地上絵は何なのでしょう? 思うに、近郊に住む他の民族が「空の民」達が崇拝する「王」について断片的に知って、その意味もわからず地上絵を形だけ真似て描いたのかも知れません。

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