仮説11:コンドル要塞について

「ムーの白鯨」前半戦におけるアトランティスの象徴とも言うべきコンドル要塞。戦場に姿を見せたのは6話と14話の2回だけでしたが、その際の白鯨とのサイズ比較からすると全幅・全高とも400〜500mといったところです。
要塞全体のデザインも、ゴツゴツした岩山に留まった双頭(?)のコンドル像を基調としていて、山ひとつが動いているような感じです。
その機能を考えると、まず戦闘機群の母艦としての機能が挙げられます。
その搭載機数は不明ですが、コンドル要塞から出撃したことがはっきりしている戦闘機の被撃墜数が画面で確認できるものだけで160機以上になります。ただし、この数字は2〜14話の通算機数であり、本国からの補給も随時あるでしょうからあまり参考にはなりません。それでも、一度の戦闘で数十機が出撃してくることから常時百機以上はあるものと思われます。
次に、将兵の居住空間、及び補給基地としての機能があります。
1話を見ると、小型戦闘機でも土星付近から地球まで到達することができるようです。とは言え、これは長距離強行偵察といった趣旨の任務と思われますので、定期的に攻撃するにはどうしても近くに根拠地が必要です。
その点、コンドル要塞は兵器類や人員の収納スペースのみならず、戦闘訓練所まであり、前線基地として充分な設備を備えているようです。
また、部隊の決め手となるべき大出力兵器の装備も欠かせません。アトランティス大陸を出撃した際はムーとの戦闘を想定してはいなかったでしょうが、6話で白鯨と対決した時はその主砲の威力を遺憾なく発揮しました。
そして忘れてはならないのが、オリハルコン運搬機としての機能。14話のオリハルコン収容シーンを見ると、コンドル要塞以外にオリハルコンを運べる機体はちょっと考えられません。戦闘機ではまず無理。爆撃機でも荷が重そうです。
”力の源”を是が非でも手にしたいアトランティスにとってこれは最も重要な機能です。

さて、わずかな出撃時を除けばコンドル要塞は月面に鎮座しているだけでした。そもそも、月基地と言いながら月面にはコンドル要塞があるだけでそれ以外の施設は見当たりません。まあ、基地としての機能を全て備えているコンドル要塞ですから、鎮座した場所がそのまま前線基地になるわけで他の施設は必要ないということでしょう。
それなら地球上に居座ってしまえば良いではないかという考えも出てきます。まして、月と地球の間を往復すること自体がかなりの労力を必要とするはずですから。
もしかしたら白鯨が宇宙に出られないことを考慮してのことかとも思いました―敵の攻撃圏外に自軍の根拠地を置くのは兵法の基本ですから―が、白鯨の存在を知る以前から月を根拠地にしていたわけですから、その可能性は低そうです。
現代の技術では月と地球の間を往復するのは一大事業ですが、我々の認識からすればほとんど無限に近い航続力の兵器を持つアトランティス軍にとって、月は地球攻略の橋頭堡として充分な至近距離なのかも知れません。
そして、白鯨の存在を知った後は無闇に地球へ進出するわけにはいかなくなったということでしょう。それにコンドル要塞を進出させなくても、エジプトやナスカに基地跡が残っていたわけですからそれを整備すれば事足りたのだと思います。もっとも、ムー側はそれを容易に許さなかったわけですが…。

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