仮説06:アトランティス大陸について

古代ギリシャの哲学者プラトンがその著作『ティマイオス』『クリティアス』の中で伝え、古今東西の様々な作品に登場するアトランティス。
アトランティス大陸については多くの人々によって研究され、その存在候補地は世界各地数十ヶ所に及ぶと言います。
ムー白世界では明確な所在地を示されてはいませんが、推定データとして9話でゴルゴスがバッカスに地中海のクレタ島一帯の古代文明跡探査を命じる際に、
「あの辺りはかつて我々の大陸があった場所に近い」
と言っていることが注目されます。
地中海に近くて大陸ひとつが着水できる大きさの大洋というと、北極海と北大西洋、そしてインド洋があります。
この内、北極海はずっと氷に覆われていて文明の栄えた痕跡がないとして、ゴルゴス自身がオリハルコン探索の候補地から外したので考慮に入れなくても良いでしょう。
残るは北大西洋とインド洋です。
まず、21話で学が割り出したアトランティス大陸の概要で、総面積が約780万平方kmとありますので、大きさ的には北大西洋でもインド洋でも位置させることは可能です。
また、ここで言う面積とは地球上に位置した際の上空から見た面積と思われますが、宇宙空間に位置しているアトランティスは大陸棚の部分も含んでいると思われますのでかなりの部分が海面下に没するはずですから実際の面積は更に狭まります。
大陸の形状が極端に東西に長かったりすれば話は変わってきますが、コンピューターが作成したという地図を見ると、極めて模式的な地図とは思いますが菱形に描かれており、配置に無理ない形ではあります。

さて、アトランティス大陸の位置について最も古典的な説は北大西洋ですが、ここには地球を南北に走る大地の割れ目・大西洋中央海嶺があり、ここにあったとするとプレートテクトニクスの影響で大陸は東西に分断されてしまいます。
その点、インド洋海底は比較的空いていますので何とか大陸を置くことができそうです。
また、11話でバミューダトライアングルの消滅事件の原因がアトランティスの兵器実験の影響であることが明らかになりましたが、アトランティス大陸が北大西洋にあったとすると、大陸ひとつを宇宙に吹き飛ばす超兵器の実験を本国のすぐ傍で行ったことになってしまいます。
もうひとつ、3万年前のアトランティス消滅時に失われたオリハルコンは南極大陸で発見されますが、インド洋からであれば距離的に近く、オリハルコンが漂着するのも容易だと考えられます。
ひとつ注意すべきなのは、アトランティスがシンボルとしたのがコンドルだという事実です。
コンドルといえばアメリカ大陸に生息する鳥。それをシンボルとするからには、アトランティスはアメリカ大陸に地理的に近い位置にあったのではないかという想像も成り立ちます。
しかし、現在は南北アメリカ大陸にしか生息しないコンドルですが、コンドル類の化石は他大陸からも出ているらしいので、インド洋付近に生息していても決して不自然ではありません。
以上の点を考慮すると、アトランティス大陸=インド洋説が優勢になりそうです。

さて、21話で同時に学が割り出したデータとしては下記のようなものがあります。
・総重量は150兆5,980億トン。
・大陸全体が山岳地帯で8,000m級の大山脈が大陸の東西南北に走っている。
水平線位置から鉛直方向にそれぞれ8km、全体が山岳地帯とは言え、当然平地もあるでしょうから平均の厚さを仮に8kmとして、先の総面積のデータと合わせると体積は6,240万立方kmとなります。単位を統一すると、
・質量:1.5 x 10の21乗g
・体積:6.24 x 10の23乗立方cm
これから比重を求めると0.0024となり、何と水素ガスより軽くなってしまいます。
しかし、この時アトランティス大陸が反重力エンジンを作動させていることを考えれば、その影響による測定ミスの可能性があります。
この前の20話では瞬間移動する敵艦の出現予測位置をピンポイントで割り出した学でしたが、これまでは操縦球を掴むだけで機械を操作していたと思われるだけに、いきなり手で扱う装置は完全には使いこなせなかったのかも知れません。

また、学は大陸の移動速度を時速6万kmと割り出しました。
火星付近に居たアトランティスはこのままの速度だと40日以内に地球に到達すると言うのですが…40日で進める距離は5,760万km。
確かに地球と火星間の最短距離はこれくらいですが、そう都合良く最短の位置にいるはずがないことと、時速6万km=秒速約16.67kmくらいの速度ではホーマン軌道と呼ばれる大円軌道を描いてしまうので実際の距離は上記の数十倍になってしまいます。
が、これは恐らく大陸が太陽系の内側へ向けて移動するために加速していっているのだと思われます。
従ってこの矛盾は学が大陸の加速データを示さなかったのが原因でしょう。そういう難しいことを言っても剣たちが理解できないと思ったのかも知れませんが…。

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