仮説01:惑星直列について

「ムーの白鯨」という物語の発端となったのが1982年3月に起きた惑星直列です。
「惑星直列」と言うと何となく日食や月食みたいに惑星が一直線に並ぶようなイメージを抱きます。
しかし、一見一直線に並んだように見えたとしても、上下(宇宙空間に上も下もないが)は大抵ズレているので惑星が一直線に並ぶようなことはほとんどありません。まして、全惑星が一直線に並ぶなどということは確率的にほとんどあり得ません。
実際、当時起きた状況というのは太陽から見て90度くらいの扇形範囲に惑星が集まっていた程度で、これを見ても一般の人は「直列」とは思わなかったでしょう。
そもそも「惑星直列」というのは天文学用語ではなく、どの程度の範囲に惑星が集まればそう呼ぶのか、その定義すら存在しません。
明確な定義がない以上、何年に一度起こるとも言えないわけですが、どの程度惑星が集まって見えれば「ほぼ一直線に並んだ」とするか、その条件設定によってはそれこそ数十年に一度くらいの確率で起きる現象です。

惑星直列の直前、その影響が噂されたその理論(?)というのは太陽系内の惑星が一直線に並ぶことでその総合された重力が影響を及ぼし太陽系に様々な異常現象が起きる、というものでした。
しかし遠く離れた惑星の重力の影響は微々たるもので、例えそれが総合されたとしても影響は取るに足りないものです。当時の惑星の並びは「直列」にはほど遠いものでしたので、なおさらです。
従って、1話冒頭で全世界を襲う天変地異を前に科学者が、
「惑星直列の影響ではないと思います」
と言ったのは全く正しい見解と言えます。
「もしこれらの異常現象が惑星直列による影響だとしたら、我々の想像を越えた全く過去に例のない新たな要素が加わり、それが引き金になったとしか…」
と科学者が言った通り、天変地異の原因は3万年の時を越えてアトランティス大陸が太陽系空間に出現したのが原因でした。

ではなぜ、惑星直列の最中だったのか?
偶然にしては惑星直列の最中に出現するというのはあまりにも出来すぎです。
と言って、仮にナレーションの通り惑星直列が180年に一度起こるのであれば3万年前から160回以上も起きていることになります。その中には今回以上に「直列」らしい並びになったことも想像されます。
考えられるのは総合された重力の強さではなく、今回の惑星の並びがアトランティス復活に理想的なものだったということです。
さらに言うなら3万年前のアトランティス消滅時と今回の惑星の並びが同じ(またはそれに非常に近い)だったのかも知れません。

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